PlayStation 4 スペック

本日PlayStation4 (PS4) が発表になりましたが、断片的にスペックの情報が出てきたのでまとめました。

ソース:「プレイステーション 4」発表

【重要】情報の信頼性は保証しません。

■CPU

AMD Jaguar (AMD64 ISA)

8core

■GPU

(CPUと統合されたシングルチップ)

AMD next-generation Radeon based graphics engine

1.84TFLOPS

18 Compute Unit

GPGPU Ready

■メモリ

8GB

GDDR5

176GB/s

CPU・GPU共用

■GPUはRadeon HD 7850に近い

GPUのスペックが予想以上に詳細に公開されました。

まず、next-generation Radeonと書いてあることから、GCNアーキテクチャ(Radeon HD 7xxx以降)であることが分かります。倍精度浮動小数演算などは省略されている可能性があります。

次に、18 Compute Unitと書いてあることから、1152コアであることが分かります。計算式は「16(Vector Unit)×4×18(Compute Unit)=1152」です。Radeon HD 7850が1024コア、7870が1280コアなので、その中間ということになります。歩留りの関係でこんな中途半端な数になったのでしょう。

そして、コア数とFLOPS値(演算能力の指標)からクロック数を求めると、0.799 GHzであることが分かります。計算式は「1.84(FLOPS)÷1152(コア)÷2(MAD/cycle)=0.799」です。800 MHzと見て間違いないでしょう。Radeon HD 7850が860MHz、7870が1GHzなので、それより遅いです。クロックを上げると電圧も上げなければならず、電圧は消費電力に大きく影響するため、あえて抑えているのでしょう。

Radeon HD 7850は1.76TFLOPS、7870は2.56TFSLOPSなので、PS4のGPUはRadeon HD 7850程度の浮動小数点演算性能を持っているといえるでしょう。ちなみに、Radeon HD 7850のTDPは130Wなので、映像出力やメモリを除いたGPU単体での消費電力は100W程度だと思われます。

テクスチャフェッチ、テセレーション、ROPの性能がどうなるかは不明です。7850から大きく変わることはないとは思いますが。

上のPDFによると、PS4のGPUはGPGPUのサポートしており、大規模なSIMD演算はGPUにやらせることができます(GCNなのでGPGPUに対応していて当然なのですが)。Wii UのGPU(Radeon HD 4xxx)もGPGPUをサポートしており(CPUとGPUがメモリ空間を共有している点もPS4と一致)、今後の据え置きゲーム機ではGPGPUが流行るかもしれません。

■CPUはAMDの新アーキテクチャ”Jaguar”ベース

現在ISSCCも開催されており、タイミングよく昨日くらいにJaguarアーキテクチャの講演がありました(記事待ちです…)。Jaguarは、AMD E-350などに代表されるモバイル向けPCやタブレットに搭載されているBobcatアーキテクチャの後継です。

参考:AMDが次世代CPUコア「Steamroller」と「Jaguar」の概要を発表

Bobcatの特徴は、アウトオブーオーダ実行で2命令デコードです。2コア・1.6GHzで消費電力18Wです(80コアのGPUを含む)。ピーク性能は低いものの、複雑な命令を実行しても性能が極端に落ちないという特徴があります。シングルスレッド性能はIntel Coreシリーズより遅くIntel Atomより速い程度です。詳細は4gamerや大原さんの記事を参考にしてください。

JaguarはBobcatの弱点を改良しています。SIMD(SSE)が64bit幅から128bit幅になり、拡張命令が増え(SSE4.2、AVX、AES-NI、MOVBE、F16Cなど)、L1キャッシュの帯域が8byte/cycleから16byte/cycleになり、整数除算器を搭載しました。一般市場向けのJaguarコアは4コアまでしか搭載されないことが明らかにされていますが、AMDはPS4のために8コアへ拡張したようです(例によってうち1コアはOS占有でしょう)。

分かっていることはこれくらいなので、以下は想像です。

2コアのBobcatのCPU部のTDPは8W前後だそうです。8コアだと単純計算で32Wになります。PS4にカスタマイズされているとはいえ、PS3のCellプロセッサに比べれば大人しいものに仕上がりそうです。個人的には、爆熱として黒歴史になりつつあるBulldozerベースにならなくて良かったと思います。

今のところJaguarのクロックは不明です。しかし、Jaguarと同じく製造プロセスがTSMC 40nmからTSMC 28nm HKMGになったNVIDIA Tegra3/Tegra4のCPU(Cortex-A9/Cortex-A15)の場合、1.6GHzから1.9GHzに上がっています。また、Qualcomm Snapdragon 800は28nmで2.3GHzの予定です。モバイル向けCPUでは2GHz前後に落ち着くようなので、電力の制限が比較的小さいPS4のCPUなら2GHzは超えると思われます。GPUが0.8GHzなので、キリの良い1.6GHzか2.4GHz、3.2GHzではないでしょうか(さすがに3.2GHzはパイプライン段数を増やさないと駄目な気がしますが)。

■メモリは256bit・1.375GHz

メモリのアーキテクチャは、AMDのAPUのメモリアーキテクチャをGDDR5に対応させたもののように思えます(直感)。XBOX360やWii UがやっているようなeDRAMの話は全く出てきておらず、どうやらなさそうです。

参考:AMDの「AシリーズAPU(Llano)」の内部バスアーキテクチャ

メモリコントローラの情報がないので断定できませんが、256 bit接続で1375 MHz5.5 Gbps)だと思われます。「256(bit)÷8(bit/byte)×5.5(Gbps)=176」なので、計算は合います。Radeon HD 7870(256bit・1200MHzで153.6GB/s)よりちょっと速い数字ですが、CPUの消費する帯域も考えれば妥当な構成です。

176GB/sという数字は、据え置きゲーム機の中ではトップになりますが、単体GPUとして見るとそれほど驚く数字ではありません。例えば、Radeon HD 7970の帯域は264GB/sです。

GDDR系列のメモリは、DDR系列のメモリに比べてレイテンシ(遅延)が大きいそうです。遅延はグラフィック処理ではそれほど問題になりませんが、CPUにとっては大問題です。これを隠蔽するには、大容量のキャッシュを搭載する必要があります。Jaguarは2コアで1MBのL2キャッシュを持つので、8コアなら単純計算で4MBになりますが、もしかしたらもっと増やされるかもしれません。

■PlayStation 4 Eye

という周辺機器が出たそうです

PlayStation Eyeとの大きな違いは、センサが2つある点です。ステレオカメラになっており、奥行きを推定することができます。画像処理はソニーの得意分野ではありますが、Kinectの後だし感があるのが惜しいです(Kinectは赤外線照射による奥行推定)。ただし、Kinectよりフレームレートが高いです。

また、音源位置推定のため4つのマイクアレイを搭載します。これもKinectと同じです。

画像を見た感じでは、チルトモーターを内蔵しているようです。これもKi(ry

■感想

PS3の時ほどピーク性能を求めていない印象です。特に8GBメモリなど、プログラマを泣かせない仕様に思えます。

最後にほぼ確定情報をもう一度まとめておきます。

GPU : GCNベース 1152コア 800MHz(Radeon HD 7850に近い)

メモリ:256bit 1.375GHz

■3/2追記

(3/18追記 以下の記述はPS4ではなく次世代Xboxのものでした。参考程度にしてください。)

Vgleaksによると、CPUのL2キャッシュは4MBで、4コアで2MBを共有したものを2つ持つようです。Jaguarコアは4コアまでしか想定していないので、ノースブリッジ経由でコヒーレンシを取る形で(Core2 Quadのように強引に)8コア搭載したようです。その結果、別ダイのCPU上にあるL2キャッシュ上のデータへのアクセスが約100クロックと、非常に膨大な遅延を起こしています。データ並列処理のためにマルチスレッドにする場合は4コアで止めるなど、(ヘテロジニアスな)CellのSPUと(シンメトリックな)XBOX360 CPUの中間のアプローチが必要になりそうです。

クロックは1.6GHzです。

2命令デコード、ROBは64、汎用レジスタのための物理レジスタファイルが64(128bit SIMDは72)、投機実行に対応、ストアフォアワーディングに対応、リターンスタックが16、”Out-of-page address predictor”が32です。

Vgleaksの情報が正しいとは限りませんが、非現実的でない構成ではあります。

(3/18追記 VgleaksにDurangoのメモリシステムの図が公開されていました。興味深い点としては、GPUのための32MB ESRAM、CPUからコヒーレンシをとれるGPUメモリ、68GB/sの8GBメモリがあります。ESRAMはEmbeddedなSRAMのことでしょうか。Xbox360は10MBのeDRAMを内蔵していました。またメモリ帯域が68GB/sとPS4より大きく下回っていますが、おそらくGDDR5ではなくDDR3なのでしょう。コストとレイテンシーの面ではDDR3が有利です。)

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PlayStation 4 スペック」への3件のフィードバック

  1. 丁寧な解説ありがとうございます。無知な自分にはとても参考になります。Vgleaksのリンクに飛んで見たところ、Durango CPU Overviewと書いてありました。どうもこのDurangoはXboxの次世代機のコードネームのようです。PS4もこれと同じような構成だと思いますが、Vgleaksのほうでまた詳しいリークがありましたら、解説をよろしくお願いします。

  2. レイテンシーでDDR3が有利は誤解ですね。メモリ内部のセルはDDRでもGDDRでも同じなので高クロック動作のGDDRではCLが大きく取られてるだけでどちらも転送が開始されるのは15ns程度の時間になります。

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